農作業事故の推移

農業は実は危険が多いし職業であることはあまり知られていません。たとえば、同じように危険が多い建設業と比較すると、就業人口10万人当たりの死者数は2倍を超えています。

近年、農業は高齢化が進んでおり、農業機械の誤作動による被害が増加していることや、滑りやすく、路肩が見えにくいなどの農業独特の周辺環境も影響しています。

会社に雇われる建設業労働者と異なり、農業者の多くは自営業者であるため、その場合、現行の労働安全法制化では、保護の対象とならないことが問題点として指摘されています。

農作業中の死亡事故の発生件数は、この10年間を見ても大きく変化していません。農林水産省の発表によると、平成27年度の事故発生件数は338件で、前年よりも12件減少しましたが、この10年間は毎年300件を超える事故が記録されています。

交通事故や農業と同様に事故が多い建設業では、年々事故件数が減少している一方で、農業においては事故件数の減少は微減です。したがって、農業では安全管理への取り組みをさらに展開する必要があります。

事故率が最も高い事故は、農業機械作業に係る事故が毎年事故件数の6割以上を占めています。そのうち「乗用型トラクター」による事故が最も多く約3割を占めています。

また、農業用施設作業に係る事故死もあまり減少していません。農業用施設作業に係る事故とは、温室やビニールハウスなどの屋根からの転落や落下物による事故死、ガス中毒などが該当します。

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